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2009年12月

  2009年12月31日(木)   
K2日記、今年一年、ご愛読ありがとうございました。
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  2009年12月30日(水)   
本を読み、散歩をし、写真を撮り、料理をし、酒を呑む。
放っておけば、だいたいそうなるようだ。

南洋堂より注文していた「都市住宅 1977年8月号」届く。

御徒町近くの「佐竹商店街」あたりをふらふら散歩する。

晩、煮染め(にしめ)と、エビの照り焼きをつくる。
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  2009年12月29日(火)   
朝、HANGOVER. 本日から蟄居に入る。

丹波黒豆を伝説の土井勝方法でゆでたり、ごまめ・田作り、数の子の塩抜きと漬け込み、牡蠣のオイスターソース漬け……など、お勝手に遊ぶ。

勝手とは台所、キッチンデザインは「勝手意匠」だな……。
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  2009年12月28日(月)   
朝、HANGOVER.  連日の飲み過ぎで、顔が“がんもどき”のようだと言われた……。

それでも、年神様を迎えんがため、したたかに、松を飾る。
夕方、ふらふらと渋谷まで歩き、途中の金王八幡宮で、一年の無事に礼をし、したたかに穢れを祓ってもらう。

そのまま「富士屋本店」へ、17時の開店を待ち、“一杯”、還俗、また穢れはじめる。

              §

夜、フィンランドから帰って来たオークボさんと、オースガ編集長と、オーシマで「三オー会」。

オークボさんは、日本語に慣れるため、帰国するとマンガを読み、テレビをみるという。フィンランド生活が長いと、いろんな日本語を忘れはじめていて、むしろ幼児期の日本語が鮮明に脳に残るのだという。

ティッシュのことを「ねえ、ちり紙ある?」と言っていたのが、グッときた。

OCMでワインを3本空け、下階の「恵比寿横丁」へくり出し、焼酎など痛飲。  夜が更ける……。
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  2009年12月27日(日)   
朝、HANGOVER.
「鶴ヶ島の家&crane studio(2009)」のご家族とともに、青山のおしゃれ飲食店にて忘年会。

「生け花か?」と見紛うバーニャカウダをはじめ、(最近のヒト人はこんなおしゃれなもの食べてるんだ……)と魂消る。

コンペからちょうど2年。
設計者冥利につきる。
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  2009年12月27日(日)   
夕方、竣工して2ヶ月くらいが経つ「国分寺の家(2009)」へ。
もっとものが溢れるかと思っていたが、うまく納まり、まだ余裕が少々みうけられる。よかった。

こちらでもバーニャカウダ的な温野菜を、灘・御影の酒・剣菱とともにいただく。

昼から飲みっぱなし、夜が更け、あまり記憶のないまま、恵比寿へ帰還する……。
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  2009年12月26日(土)   
午後、電気音楽隊の練習。終了後OCMにて忘年会。
かれこれ構想しはじめてから1年半が経ち、感慨もひとしお。

記念写真も撮ってみた。

ワインが5本空き、夜が更ける。


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  2009年12月25日(金)   
年賀状の宛名書きなど。
なかなかはかどらない。

夕方、南洋堂へ。
「南洋堂書店にぽむ企画み江画伯が神保町マップのガラス絵を描く」のに立ち会う。
その様子をぽむ企画平塚さんがUSTというもので、実況中継を試みたり。
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  2009年12月25日(金)   
K2は正装の白衣姿。
これで街をうろうろしているとあからさまに変な目でみられた。

その後、店主のアラタさんたちと、『神保町対決マップ』の打ち上げ。
素敵な夜が更ける。 

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  2009年12月24日(木)   
終日、事務所にて、絵を描く。
年内にやろうと思っていたことが、終わっていないが、しょうがない。

写真は乾久美子設計の日比谷公園にある「日比谷花壇」
たぶん、このアングルが“やりたかったこと”だと感じた。


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  2009年12月23日(水)   
噂の『神保町対決マップ』が『散歩の達人』1月号にて紹介されました!

まだ手にしていない方は南洋堂ウェブショップで本を注文すると、もれなくついてきます!
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  2009年12月23日(水)   
夕方、“堺のおっさん”に会いに、銀座へ。おった、おった……。
「値段で何がちゃうんですか?」
「刃と重さですな」
「刃はどうちゃうんですか」
「ええ刃は研ぐ回数が少なくてすむんですわ」
「毎日研がんとあかんのですか?」
「毎日研がんとあかんのは、ステンレスの包丁ですわ、これは3ヶ月に一回くらいでええんですわ」
「自分で研いでええんですか?」
「いや、三ヶ月に一回は、ここ銀座三越に来てますから、持って来てください」
「えッ?ここに?」
「はいな、タダで研いであげます。」
「そりゃありがたいこって……」
「ただ自分で研がれて、ぐちゃぐちゃになったもんは有料になりまっせ」
「ひえ〜〜、ほな絶対自分で研がんほうがええですね」
「そういうこってすな」

あとはちょっと「木屋さんてどうなんすかね?」といやらしいことを聞いたりして、結局、「堺影虎」という2万円の包丁を、連れ合いに買ってもらうに至った。

                §

歩いて愛宕山のてぃへ。
間違いなく「東京No.1のレストラン」にて、美食に散財する……。

夜が更ける。
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  2009年12月22日(火)   
来年、MINKAシリーズ#1、#2、#3について、講演をおこないます。

「温故知新!建築家と考える懐かしくて新しい木の家づくり」
日時:2月7日(日) 11:30〜12:30
会場:3階 OZONEプラザ
講師:大島健二(建築家)

               §

終日、事務所にて作業。
午過ぎ、X社の新しい編集者さん来所。建築設計の流れや、プレゼンテーションのことなどについて、ヒアリングされていく。
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  2009年12月21日(月)   
旗の台の「PROFESSOR`S ROUND」へ、白衣を買いに。
どうせならと、クラシコの白衣の域を越えた高級白衣を買ってしまう。

ドクター……というより、どうみてもスタイル・カウンシルのポール・ウェラーにしかみえない……。


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  2009年12月20日(日)   
包丁を買いに、日本橋の「木屋」へ……と、ここまでは東京人として正しい行動。「鼻毛切りまで木屋で買った」と自慢する人に会ったことがあるくらい東京の「木屋信仰」は根深い。

少々怪しんで、三越の包丁売り場へ、同じ「木屋」のハガネ製をみていると若い店員さんが……
「あのう、22日23日あたりにおこしいただければ、大阪・堺の刃物屋さんが来て販売されるんですけど……ハガネでしたらそちらのほうがよろしいのでは……」

その若い店員さんに、感動した。
「木屋でも何でも、とっとと売っちまえばいい」という心構えが店員さんにあってもかまわない、ところがそこを越えて「木屋は単なる問屋ですから……工場持ってませんよ……ハガネの本場は昔から堺です……」と、ささやいてくれた。

日を改めて、(その堺のオッサンから包丁を買おう)ときめた。
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  2009年12月19日(土)   
「サルの正義」呉智英(双葉文庫)をテキストに、建築ツウは呉と対話する。

呉「美の前には、どんな差別もゆるされる。」
ツ「美という概念そのものが、差別でしょうかね、、絶対的な美というものはなく、対象があってそれを排他することによって美は成立しているのですね、、、強い美は強い差別」

呉「最も反時代的な人でさえ、正確に時代の陰画を演じることによって時代の刻印を打たれているのだ。」
ツ「“時代の陰画”というのに、グッときます。なぜか建築ツウは、いつもそこへ向かってしまいます。正確に描けているかどうかはわかりませんが。カウンターカルチャーともいうのでしょうか。」

呉「第一、浄土宗・浄土真宗なんて、仏教というよりも、仏教系の新興宗教である。」
ツ「……うすうす気づいていました……」

呉「思想的に行きづまった無能知識人どもが一気に「大衆」の中に飛び込み自殺するのを、私もしばしばみてきた。(柳田國男へののめりこみや、美空ひばりへの賞賛等……)」
ツ「建築ツウは無能知識人の一種ということになります……ハイエンドな思考を捨て、すでに大衆の中へとびこんでしまいました。美空ひばりはどうでもいいですが……。」

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  2009年12月18日(金)   
午まえ、「蓮根の家」現場へ。
二日酔い、下痢、足のつけ根のギックリ、五十肩による息苦しさ……というボロボロの体をひきずりながら。

それでも建物はできていく。

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夜、つくれない餃子をつくろうと試みるが、つくれないものはつくれない。
そもそも学習しようという気がなく、外食への意欲と価値をわかせるためのような作業。

と、いいつつ、翌朝、今、ネットで「餃子 包み方」で検索すると、こんなサイトがあって「この時中心の画像を2400メートルの山と思ってください」というところに釘付けになって大笑いしてしまい、何だかどうでもよくなってしまった。
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  2009年12月17日(木)   
友人の写真家 渡辺慎一が「仕事に活かす 伝わる写真が撮れる本」(ワークスコーポレーション)が発売された。

いやあ、素晴らしい本だ。
デザインもおなじみの原条令子さん。

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夜、kicoさんとmomoさんに誘われ、渋谷のMeWeへ。
焼酎を飲み過ぎた。
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  2009年12月16日(水)   
聞こえてきた、男子中学生の会話

「俺は太ってるから、“もしやせたらモテるかもしれない”って可能性あるけど、お前はやせててモテないから可能性ないな、ハハハ」
「……」

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終日事務所にて作業。
夜、西新宿へ。「埼玉屋」、「岐阜屋」、「やまと」とはしご酒。
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  2009年12月15日(火)   
「原始の神社をもとめて 日本・琉球・済州島」( 平凡社)がおもしろい。

神社が、朝鮮半島から来た渡来人に由来するかもしれないといった考え方は、戦前までのタブーにとらわれた“神社が日本固有のものである”といった自閉的な考え方に阻まれ、それは冒涜であるとさえ考えられている……というところが通奏低音。

原始の神社とは、建築ではなく、森そのもの……場そのもの、うすうす気づいてはいるが、確かなものに。そして一度建築を否定しながら、ならば「なぜ建築を伴い始めたのか」を考えることによって、また日々建築することができる。

日本書紀や古事記といったものを「誰が、何のために編集したのか、そこで排除されたものは何なのか」ということを、あいかわらずのニッポンは問わないからこそ、むしろ非科学的で宗教と同じような理屈ではない「昔ながらの良きニッポン」の延長線上にいられるのかもしれない。

本の帯にある「森そのものが神なのだ!」、つまり森ガールとは巫女のことか……。

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午後、編集者M氏来所、夏頃話をいただいて放ったらかしにしていた本の打合せ。
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  2009年12月14日(月)   
先週、「森ガール」ってコトバを初めてみて「なるほど、森ビルのOLのことか……」と早合点しているとどうやら違うということを知り、会う人会う人に聞いていると、なんとなく、わかった。
(ああ……あの人たちのことだな……)と……。

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午めし「その手は桑名の焼き蛤」ごはんと粕汁
(ごぼう、にんじん、こんにゃく、鮭、白菜、しめじ、白みそ、酒粕……)
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  2009年12月13日(日)   
南洋堂ウェブショップから本が届いた。

「近代建築論講義」(東京大学出版会)
「村野藤吾 建築案内」(TOTO出版)
「世界の建築様式」(産調出版)
「原始の神社をもとめて 日本・琉球・済州島」( 平凡社)

『神保町対決マップ』もちゃんとつけてくれていたw

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「恵比寿マップ」を手描き化する作業に始終。
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  2009年12月12日(土)   
ぽむ嬢のご案内で、白金台 中山英之さん設計のビル見学→蓮根でOCM設計の住宅見学→ついでに塚本さん設計の「ハスネワールドアパートメント」見学→浮間舟渡まで歩き、餃子の王将。日が暮れる。

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写真、ワラボッチという、樹木の冬支度。
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  2009年12月11日(金)   
午まえ、「蓮根の家」現場。
足場がとれ、全容が表れた。

1階RC、2、3階木造在来。準耐火構造。
素直に“積んだ”感じを出したくないので、入口まわりのRC部を、逆梁にしたり、ふかしたり、欠いたりして、2階へ食い込ませ、少しだけ暴れてもらっている。

前の晩、建て主さん奥さんから電話。めったに建て主さんから電話があることはないので、少々びっくりするが……
「外観みました!かっこいいです!」と。 ホッ……。

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夜、電気的音楽隊の練習。
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  2009年12月10日(木)   
先日、夜、山手線の中で、上野から乗って来たおばさんに話しかけられた。

「いや〜ねむいわね、二度寝しちゃうとよけい眠いのよね。いや、ほら、あたしこれから仕事なのよ、新橋でマーッサージやってんの、そう、もう40年もよ。茨城から通ってんのよ。」

と、そのおばさんは新橋でおりた。

               §

話しかけられた理由)帽子をかぶっておらず、無防備だったから。
わかったこと)おばさんは44才の男性に話しかけても不審者扱いされない。
謎)新橋で40年つづく老舗マッサージ屋

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夜、フィンランドのめぐみさんより電話。「ヘルシンキでは朝から酒をのみますか?」などについて話し、年末会う約束をする。
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  2009年12月9日(水)   
事務所前の廊下が工事中、ちょうど機械を使った“ケレン”の作業で、爆音と振動。仕事にならないので、半休をとる。

都電荒川線で、飛鳥山、旧古河邸庭園、六義園と巡り日暮里で日が暮れる。

               §

ケレンは、いわゆる「けれん味のない性格」といったばあいのけれんとは何の関係もない建設現場用語。
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  2009年12月8日(火)   
勝手につくりはじめた「恵比寿マップ」が、暗礁に乗り上げ、途方にくれたり。
暗礁とはつまり「デザインフィニッシュ」の問題、コンピューターでけっこうちこちこやったが、雰囲気がでない、、、技量がないからだ、、、。

よし、一発手描きで描き切るか!  と、そこで日が暮れた。
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  2009年12月7日(月)   
「オーシマさん、パンは食べないのですか?」とたまに聞かれるが、パンは、食べる。

午めし
昨日のビーフシチュー
バタール
小豆島のオリーブ、子供チーズ
蒸し鶏、マッシュポテト、タマネギ、トマト、サラダ菜

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四十肩の調子が悪く、中国人のやっている整体へ。
「いつもの四十肩です」
「五十肩アルネ」
「いや、だから四十肩で」
「四十肩、五十肩、一緒アルネ」
「いやだからまだ僕は四十代で……」
「五十代のオバサン、五十肩って言いたくないから、だいたい四十肩って言うアルネ」
「いやだから僕は……」
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  2009年12月6日(日)   
「この世に生かされているという、粋人好みの人生観も、実は謙虚でも何でもないのだ。そんな言い方の裏には、努力抜きでおのれを投げ出した、怠慢で卑怯な心根が潜んでいる。」
『貝の帆』丸山健二(新潮社)

               §

来し方、行く末のことを考えながら、掃除をしたり、洗濯をしたり、身辺の整備に努める。
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  2009年12月5日(土)   
午後、築2年を経た「下総中山の家(2007)」を訪問させていただく。

民家シリーズ#3「大井松田の家(2009)」の写真をみていただいたり、おいしいお酒とお食事をいただき、自分設計の建築を賞味するという、生きていて、建築をやっていて、これ以上ない愉楽。

自家製の牛の薫製、モツ煮込み、タイのカルパッチョ、春雨サラダ、いろんなチーズに、山芋……特に「松山あげ」というおあげの入った粕汁がものすごくおいしくて、「松山あげ」そのものもおみやげにいただいてしまった。
あとは“60年もの”の梅干しにはびっくり、種の中の“天神様”がたまらなくおいしかった。

今回はお風呂には入らなかったけど、来年またよろしくお願いします!
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  2009年12月4日(金)   
「蓮根の家」階段
『準耐火構造の構造方法を定める件』
平成12年建設省告示第1358号第6条2項
「段板及び段板を支えるけたが木材で造られたもので、当該木材の厚さが6センチメートル以上のもの」

ずっとこの文言が気になっており、「6cm厚の木材で階段をつくれだと?誰がそんなことするか!」と誰しも思うところの裏をかいて、鋭意施工中!

当然“構造的には”オーバースペック、しかし、その法をミカタにつければ、過剰な構造表現主義的な階段が可能となる。

準耐火構造、つまり、内部に木造の軸組を表現することはできない、すべて石膏ボードでくるまれる。そのストレスをこの「H12告示第1358号第6条2項階段」で解消させる。
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  2009年12月3日(木)   
噂の『神保町対決マップ』が、「建設通信新聞」で紹介されました!

「企画に乗ってくれたのは“建築ツウ”と名乗る、文字通りの建築通でユーモア溢れる著作で知られる建築家・大島健二氏」という部分の、“前置きの長さ”にぐっとくる。

               §

夜、餃子の日。
近所で餃子を食べる。
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  2009年12月2日(水)   
“座る”という機能を持つがゆえに
“粗大ゴミ”“不法投棄”という嫌疑から、ゆっくりと逃れている椅子

単体でなく、群れること、セットになることによって、その度合いが増すことを、椅子自身は知っている

カモフラージュ、擬態の一種か

今、あなたの座っている椅子の耳元で、そっと(バス停……)とささやけば、椅子は必ず“ギクっ”とする

               §

夜、電気的音楽隊の練習。
2つの新曲を完成させるため、ギターとベースで代々木のスタジオに入る。
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  2009年12月1日(火)   
椅子の余生を考える
余生まで考えられた椅子
バス停に置かれることを、あらかじめ計算された椅子
バス停に置かれることを、あらかじめ運命づけられた椅子

写真:「子安」のバス停
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