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2010年1月

  2010年1月31日(日)   
昨日、OCMチルドレンと遊び過ぎて、体中、筋肉疲労……なさけない
ぼろぼろのカラダと、健全なる精神で、「蓮根の家」現場へ、施主様検査。

ずいぶんとご心配をかけたが、できた、いい家だ。

終了後、現場に独り残り、三脚を立てずに、カメラを手持ちで写真を撮りまくる。それは、いや、それが、一番大事な検査。

自分の設計した、空間で、ただ、独りで、対話、と、対峙。

12時過ぎには疲れ果て、とろんとした目で、エビスに付き、布団に倒れ込む。

               §

来週水曜日(2/3)に、「蓮根の家」見学会を行いますので、これからOCMで新築予定のご検討をされている方はご連絡ください。ご案内いたします。   oshima@ocm2000.com
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  2010年1月30日(土)   HOUSEではなく、HOMEをつくる
竣工して2ヶ月を経た「大井松田の家(2009)」へ。
建築家はいつも検査ばかりされているので、お住まいになられてからは「ちゃんと住んでますか検査」をする、が、なんともOCMのクライアントさんは素敵な方たちばかりなので、それには満月の日が選ばれていた。

午12時に着き、お午ご飯いただき、OCMチルドレン達と瓦屋根を使ったボール遊びをしたり、一緒にピアノを連弾したり、シルクドソレイユばりの数々のアトラクションを観覧したり、晩ご飯もいただき、お酒をいただき、そして……

「オーシマさん、月がのぼりましたよ、お風呂に入ってくださいな」

曽我の梅林のあたりから昇る、巨大な月、伊豆石の半露天風呂より、見遣る、至福の時間……

21時半、検査終了、一発合格。
御殿場線に乗って、「大井松田の家」を後にする。
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  2010年1月29日(金)   
waned shapeな、天板
その横の壁の角も、丸くなっている

ネジ山がなくなってしまったときに、“なめた”という言い方をするが、ちょうどそんな感じ
何年も経って、きっと欠けてくるだろう角を、はじめから、“なめておく”

              §

日暮れ、手みやげを買いに、新宿まで歩く、月を伴って

とちゅうでタバコを買おうとコンビニへ
「マルボロメンソール1mgください」
コンビニのおじさん
「え〜〜と、これで“いいかな?”」
(“いいかな?”……一体何才だと思われているのだろう……)

夜が更ける
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  2010年1月28日(木)   「蓮根の家」奇譚
「ねえ父さん、どうしてこの庇、欠けてるの?」
「ねずみにかじられたんだ……」
「……」
「……」
「まじめに答えてよ……」
「ああ……」
「ねえ、なんで」
「月だって欠けるだろ?欠けるって英語でwaneっつううんだ、だからwaned shape、つまり何かの力によって欠きとられたカタチっつうのが、このお家のコンセプトなんじゃないかな」
「……それって建築家が言ったの?」
「いや、父さんはそう感じるんだ」
「で、この庇は“何の力”によって欠きとられたの?」
「わからないか?」
「わからないよ、だって何にもないじゃん、もしかしてこの電柱?」
「いや、そうであもあるが、ちがうんだ……ここにな、もみじの木を植えようと考えていて、やがてそのもみじの木が大きくなって、そして枝振りが庇の方にせまってくるだろ、その力さ」
「へ〜〜、ずいぶん先の力なんだね」
「ああ、そうさ、設計っつうのは、ずいぶん先の力まで見越してやるもんなんだ」
「……それって建築家が言ったの?」
「いや、父さんはそう感じるんだ」

外壁用ステンレス製換気口:西邦工業金網型4メッシュKKN-S指定色
雨樋:タニタハウジングウェアHACO/H6号
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  2010年1月27日(水)   
「プレアデス星団の裏側へ行ってみませんか……」

「蓮根の家」お父さんの小さな書斎、扉
黒い部分は“ギングロ”のガルバリウム鋼板、マグネットボード的なもの
プレアデス星団、和名は昴
表からみれば、地球からみたプレアデス星団になる……

「お父さんどこいった?」
「ん?プレアデス星団の裏側だと思うよ……」

星はBESTNo.566、アクリル樹脂の“明かり取り”を使っている。

規則正しく並べても、ジャン・プルーベ的でおもしろそうだ。
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  2010年1月26日(火)   
朝から「蓮根の家」完了検査に立ち会う。
某民間検査機関のおじさんは30分以上も早くいらっしゃって、すばやく検査をすませ、そそくさとお帰りになられた。

違反はしていないし、合格して“当然”だが、人から検査を受けるというのは、やはり緊張する。

写真:正午近くの、3階の写真、暖かい。名付けて「準耐火構造:無垢材t.60階段」といういかめしい階段が、かわいらしい影を落としている。

夜、また物件を調べていると、自分が昔設計した集合住宅が出て来た。
一生に一度くらい、自分の設計したところに、住むか……
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  2010年1月25日(月)   
午、散歩系Y編集長から
「今恵比寿のとある事務所にいるのですが……恵比寿つぶやきマップ持って……」
との電話あり

そそくさと、出前並みのスピードで出向き、謎の会議に参加。
「恵比寿つぶやきマップ」が勝手に仕事をはじめた。

             §

奇譚
昨日来、恵比寿を離れることを妄想していると、もう少し恵比寿にいろ、という仕事が舞い込んだ。
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  2010年1月24日(日)   
午、明大前から歩き、笹塚のたこぽんで明石焼を食べる。

さらに歩き、初台でセシル・バルモンド展を観る。

               §

途中、幡ヶ谷で「30坪、路面店、8.4万円」という物件があり、妄想を広げるが、帰ってネットで調べるが、30uのあやまりだった。
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  2010年1月23日(土)   
午、旧フランス大使館へ

これから解体される53才の建物が、アートという名の大義名分によってひどい姿・さらしものになり、最期の時間を過ごしている。

一晩たっても、悔しさがぬぐえない。

本来はそのアートイベントのお金を、すべて清掃(正装)にまわし、ものすごく奇麗な姿にして、そして皆にみてもらって、そしてご苦労様、と声をかけ、そして解体されるべきである……。死化粧。

               §

写真:旧フランス大使館にて、これはアートではない。こういった、ハンガーの痕跡(つまりは人の痕跡)や働いた金物、時を経た素材や、そして何もかわらない光の入り方、や、ただの静寂などを、愛でるだけ……といったことが、衆愚化したる日本人にはできないのだろう……
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  2010年1月22日(金)   
http://twitter.com/OCM2000

今日は、twitter日記にしようか……
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  2010年1月21日(木)   
証明写真を撮って、振込をして「管理建築士講習」の申込書を送付。

一級建築士の受験資格も試験内容も難しくなり、一級建築士をとってから3年間どこかの事務所で修行して、そこの所長にお墨付き(第三者証明/ということは円満退社前提)をもらって、やっと一級建築士事務所を開設できるという時代になった。

確実に、一級建築士と、一級建築士事務所は減っていく。

               §

午後から、文章脳に火をつけ、書きまくる。
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  2010年1月20日(水)   
生暖かいが、(どうせまた寒くなるのだろ、だまされないぞ……)と、自分に言い聞かせる。

夕方、建築家の滝澤氏の事務所を訪ねる。「管理建築士講習」の申し込みに必要な、業務実績に対する「第三者証明」をしてもらいに、という理由で、年に一回くらいは同い年のちゃんとした一級建築士のお話が聞きたいというのが正直なところ。

事務所で少しお話したあと、茗荷谷駅前の居酒屋へ。建築家として何とか生きて来られたことに乾杯し、これからどうやって生きて行こうと考えているのかを聞き出そうとするが「あと10年は大丈夫でしょう」と軽くクールにかわされる。

体脂肪率18%の滝澤氏は東京マラソンに出るという。写真家のワタナベ君もでるし、なんだか人ごとじゃなくなってきた。
夜が更ける。
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  2010年1月19日(火)   
日中、文章を書く。
夕方から、渋谷へ、リハーサル。
夜、楽隊の渋谷公演、成功。

奇譚

他のバンドさんがインフルエンザで1組キャンセル。
後のバンドさんのボーカルが、演奏中に発作で気を失い、救急車がやってくる騒ぎに……。20分くらいで息を吹き返したが、(このまま死んじゃったらしゃれになんないな……)と思いながら、ステージ上の救急隊員を見守る観衆……。ものすごく長い時間に感じた……。

やっぱり、危険な音楽だと感じた、が、だからヤミツキになる……
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  2010年1月18日(月)   
苦手なEXCELと格闘しながら、書類作成、なんとか仕上がる。
仕事を穫るための大事な営業ツールなので、願をかける。

夕方、散歩でなく、スポーツっぽく歩く、時折、小走り。
恵比寿ー中目黒ー目黒ー恵比寿、45分。

写真:目黒新橋より、中目黒をみる。
明晩は渋谷公演だ、早く寝よう……
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  2010年1月17日(日)   
朝、5時過ぎ、自然に目が覚め、テレビをつける。
神戸・三ノ宮・東遊園地
はじめて女の子とデートをした、その場所で、震災の慰霊祭が行われてる……    泣く。

午、OCMに学生さんが鯛焼きを持ってやってきた。
「履歴書;志望動機の書き方」とか「世の中の歩き方」について教示。

「できたら、また持って来ますので、みてくださいね」
と言い残し、お帰りになる。

その後、ずっと隠し持っている1995年1月18日の新聞を、ひっぱりだす 、泣く。

夜、テレビをつけると「その街のこども」というドラマをやっていた。
泣く。

震災という域を越えて、このドラマ?映画?ドキュメンタリーの出来はものすごかった……映像への激しい嫉妬。最後のシーンが、本当に“今日の朝”撮影され、東遊園地の慰霊祭に佐藤江梨子がたどりつく場面……。撮ったあと、すぐに編集し、夜、放映……。脳ごと、どこかへ持っていかれたような気がした。

来年は、神戸に行こう……と思った
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  2010年1月16日(土)   
午、電気的音楽隊の練習。終了後、三人でサイゼリアへ。
なぜか音楽隊をやっていると、高校生みたいな気分で、サイゼリアに行きたくなる。

               §

ハンズでガスファンヒーター用のガスホース5m購入、¥4,900−。
恵比寿に戻って近所の布団屋「近代」で低反発“風”マットレスを購入、¥4,900−。

冬支度が完了……遅かったか……。

「低反発な奥さん」とか「低反発な息子」「低反発なネコ」……妄想しながら床に就く。
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  2010年1月15日(金)   
「自腹」とは、お茶の世界のコトバで、自分のために茶をたて、飲むこと、もちろん、それは最高のぜいたくとされている。

客を招いても「亭主の楽しみ八割、客二割」、昔からこれが、あたりまえだ。

写真家ワタナベ君のおともだち、神戸のカフアさんの“自写”
人の“自写”に嫉妬する……。

「自分の写真撮って、人にみせて、まったく、自分大好きなのね、ナルシストね……」

100万回聞いた生温いコトバだ。
自分にうまいと感じさせ、自分を撮り、自分を描けない人が、なぜ、人を……。

               §

午後「蓮根の家」現場。
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  2010年1月14日(木)   
ひたすらポートフォリオ百数十枚をプリントアウトしながら、他の作業。

短時間で処理できるもの、締め切りがせまっているものの順に仕事をするが、なかなか大きな仕事に着手できない。

日が暮れる。
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  2010年1月13日(水)   
「建築士賠償保険」「駐車場の契約書」「管理建築士講習申込書」「建築プロデュース会社登録申込書」……様々な書類にFILL INするだけで日が暮れる。

夜、インテリアデザイナーのササキアキラ君、ふらりとやってくる。これから近所でビストロの内装を手がけるのだという。

昨年いよいよ建築設計にも手を染めたらしく、そのようすはこちら

工務店さんが上手に有名人のオーラを使っている様子がうかがえる。
オープンハウスをし、160人が来て、工務店さんは3件新規契約に結びつけたという。

すばらしい。

               §

一昨日お会いしたさくらいよしえさんが、宅ファイル便のページにて「♪にんげんLove♪ラブ交叉点」という連載をしている。

「あんちゃんの場合」を読んで、不覚にも涙してしまった。さすがな感じの文章力だな……。一気に他も読む体力が、僕にはなかった。
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  2010年1月12日(火)   
「皆さんの中には、今、事務所を持っている人もあるし、これから持つ人もあるでしょうが、決して経費をかけたらいけません。そうすれば、次のチャンスをあせらずに待つことができる。」
『建築をつくる者の心』村野藤吾(なにわ塾業書)

               §

事務所の室温20度。寒い。
エアコンとガスファンヒーターで22度まで上げる。

15坪に独りは、大変暖房効率が悪い……。
断熱材なんて入っていないRC構造だから、躯体が冷えきれば冷蔵庫になる、、、負けないように暖房し続けねばならない……。
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  2010年1月11日(月)   
年神様にお帰りいただき、玄関の松をはずした、が、「松を外し……」ではなく「松もとれて……」という表現が好きだ。

日中事務所にて作業。

夕方、恵比寿から新宿まで歩く。途中代々木の「鞍馬サンド」にてたまごサンドとカプチーノで休憩。

日が暮れて、新宿の「北牧場」というジンギスカン屋にて念願だった「東京★千円で酔える店 金はなくとも毎日飲みたい! 」の著者、さくらいよしえさんと呑む。ツレと写真家のワタナベ君がともに知り合いなのでぜひとも紹介しろと、ずっとせがんでいた。

焼肉にはあまり興味がないが「北牧場」のラム肉は、抜群においしかった。

大好きな年末年始がやっと終わった感じ。
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  2010年1月10日(日)   
気散じに、葉山の美術館へ。
葉山から、逗子まで海岸沿いを歩く。

マリーナ的な葉山でなく、三浦郡的な葉山が好きだ。そして三浦郡的な葉山から歩くと、逗子が都会に感じられる感じが好きだ。

               §

夜、M田H田設計の若手1名をOCMに招き、「昨今の住宅以外の建築設計事情」をおうかがいする。新しい本の執筆のため。やはり生の話はわかりやすく、身に付く。     いい時間だ……。
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  2010年1月9日(土)   
終日事務所にて作業。
展示会用のテキストの作成等。

夕方、電気的音楽隊の練習、公演まであと10日。
そして新年会、夜が更ける。
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  2010年1月8日(金)   
扉のデザイン打合せ中、建て主さんの口から「ムヅラボシ」という言葉が出た。
スバル=昴=プレアデス星団のことを、北関東の一部では「六連星」と書いてムヅラボシと読むのだそうだ。

一つの星団だけで、こんなに……。
近代・現代とは、月のことや星のことを“意識しないで生活する”ことだといえる。

               §

午まえ、「蓮根の家」現場へ。
最終工程などの確認、細部のチェック。

夜、年末にひきつづきO編集長、フィンランドからのO嬢、OCM、に写真家の渡辺氏を加え新年会。
おぼろげな今年の展望に、さらに色がついた。
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  2010年1月7日(木)   
日々、寒さが身にしみる。

午、「ミオナール錠」と「ユラベN錠」をもらいに診療所へ。
“筋弛緩剤”みたいなもの(笑)。

夕方、西新宿へ。
「某財団設立&本の出版」のための会議に出席。

その後、会食。
直接関係はないが、プロデュース会社の人からいくつかいい話を聞き出し、少し今年の展望がみえてきた。

酔わないように、ひたすらハイボールだけを飲んでいると、酔わなかった。
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  2010年1月6日(水)   
終日事務所にて作業。

昨今のゼネコン、組織設計事務所事情をさぐろうと、各所連絡をとったり。

夜、漫画家のサマタさん来所。
新しい本でイラストをお願いしたいので、その件と、新年会を兼ね。
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  2010年1月5日(火)   
午後、“建築本”の打合せ、X社のMさん来所。
「中味はできあがっている」と豪語していたが、先方の意向とどうやら合わぬため、白紙に戻し、基本的には一からやりなおすことに。

本の内容と値段ということについていつも考えている。
たとえば「日本の家庭料理独習書-土井善晴」この本は1680円なのに、ものすごく充実した内容。

同じくらいの値段で、同じくらいの価値のあるものを、自分は出せるのか?
しかし、あまり気にしても前にはすすまないので、せいぜい「丁寧につくる」ことを今後は心がける。
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  2010年1月4日(月)   
日が暮れて、「蓮根の家」ご主人と、神田にて待ち合わせ、新年会&“最後の打合せ”。

「神田ミートセンター」へ行こう、という話になっていたが、まだ17時前にだというのに、通りすがりの「大越」「升亀」が、クリーニングしたてのきれいな背広を着た年配のサラリーマンで、びっしり埋まっているので、なんだか(ずるい……)と思い、「大越」に入り、サラリーマンの新年会気分をとっぷり味わう。

ご主人曰く「『鶴ヶ島の家(2009)』の忘年会は“青山でバーニャカウダ”だったんでしょ?すんませんね〜神田で!」

OCMの建て主さんたちは、それぞれ他の家のことを気にしながらも、でも、やっぱりみんな自分の家が一番だと思っているところが、かわいくて、うれしい。

歩いて神保町まで、いつもの天鴻餃子房にて、はしご酒。
一ヶ月後の竣工を肴に、建築家と施主の夜は更ける……。
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  2010年1月3日(日)   
仕事をはじめる。
新しい本の企画書づくりなど。


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  2010年1月2日(土)   
「人と会わずに五日が経った」

待ち往く人のことを“人でなし”と言っているのではない。待ち往く人は、都市生活者にとっては、心地よい点景だ。

               §

火、金王八幡宮にて。
この“炎上少女”は「生まれてはじめて火を見たかのごとく」火に、食いついている。

               §

年末、とっぷり痴呆的な休みをとったので、元日から仕事をしようと思ったが、昼に、自作のおせちで酒3合やってしまって、深い眠りの闇におちる。

本日は、恵比寿唯一の回転寿し屋で午飯をとり、しかし、一合やってしまったが、なんとか17時まで、膨大な事務作業などをこなし、一応、自分に「仕事をした」と言い聞かせ、夜が更ける……。
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  2010年1月1日(金)   
今年もよろしくお願い致します

               §

上京して18年
独立して15年
恵比寿に住んで15年
OCMを設立して10年
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